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魔法の会社の経営者シートdetail

安定した成長をする体制を作れ


 「理想の会社」の定義をする前に、前提があります。法律や社会常識を守ることが、理想の会社であることの絶対の条件です。

理想の会社の定義を一言でいえば、「会社も人も安定した成長をする体制を作れているかどうか」です。キーワードは「安定」です。業績などが安定しない中で組織や人の成長などありえません。安定とは、ある程度、業績が安定し、離職率も高くなく、社員のスキルやノウハウが一定のペースで上がっていくようになる基盤とも言えます。この基盤はその会社の多くの社員にとって、そして経営者や役員などにとって貴重なものです。取引先やクライアント、顧客にもかけがえのないものです。
安定を社内に作るようにできる会社こそが、中堅企業に脱皮できるのだと思います。なお、安定はぬるま湯を意味するものではなく、一段と成長をしていくために大前提になるものです。

 安定を実現するためには、少なくとも以下の2つを確実に満たすことが必要です。

1 経営陣が「業績(売り上げ・利益)を安定させつつ、絶えず増やす」という強い意思を持ち、それを機会あるごとに社員らに伝え、説得しようとしていること

2 人事制度や賃金制度に「社員の定着」、つまり、安定を感じることができる仕掛けを作り、それを常にバージョンアップさせていること

 1の「『経営陣が「業績(売り上げ・利益)を安定させつつ、絶えず増やす』という強い意志を持ち、それを機会あるごとに社員らに伝え、説得しようとしていること」ですが、残念ながら社員数300人以下で売り上げが10億円以下の会社を観察していると、「業績(売り上げ・利益)を安定させつつ、絶えず増やす」という意思が社員はもちろん、経営陣にも弱い傾向があります。

 
ある経営者が云っています。「世の中には2種類の会社しかない。業績は現状維持でいいという会社と、もっと上げないといけないと考える会社。自分は後者でありたい」。

 この経営者は社員に「稼げ! 稼げ!」と精神論で発破をかけることはしません。職場の実態、社員の意識や職務遂行能力のレベル、取引先の事情などをよく見据え、そのうえで効果的な施策を次々と打っていました。
彼の言うところの「組織戦」、つまり、多くの社員の底上げをすることで業績を上げていこうとする仕掛け作りはち密なものでした。
 この経営者は底上げをする際、社員をその力に応じていくつかのグループに分けます。そしてそれぞれの実情に応じた育成をします。中には、それについていけない社員もいるでしょう。しかし、当時は社員の底上げをおおむねできているように見えました。

大多数の中小やベンチャー企業は、このことを理屈としては心得ているのですが、実際はできていません。そもそも、底上げをしようにも次々に辞めていくので、底が穴あき状態になります。社員のレベルを上げる以前のところで行き詰まっているのです。安定がないところに、成長などない分かりやすい例です。
 「落ち着きのない職場」とは、辞めていく人が非常に多いために、社員間でスキルやノウハウの共有がほとんどない職場です。その結果、ムリ・ムラ・ムダが多く、見ているだけで疲れる職場のことを意味します。「落ち着きのない職場」では、人は成長しないでしょう。

 次に、2の人事制度や賃金制度に「社員の定着」を促す仕掛けを作り、それを常にバージョンアップさせていることについて説明します。
 ある会社の役員の言葉です。
 「年功序列というと、その社員の年功(キャリア)だけで昇格などが決まるイメージがあります。私も大企業に勤務していた時、それに近い思いを持っていました。しかし、実際に企業を経営すると、年功は大切だと考えるようになりました。今では社員を評価していく際の1つのファクターとして位置づけています」

これは「社員の定着」を促す仕掛けとも言えるでしょう。大企業の管理職ならば、その多くが理解していることかと思います。会社を安定させるためにはこの年功を重視していくことが重要な要素であることは間違いないのです。

 役員が指摘するように年功(キャリア)だけで昇格などが決まることがあるならば、それは大きな問題でしょう。しかし、役員は、「イメージ」と言っているだけであり、読者はそのあたりを誤解ないようにしてください。
この役員は「人事評価をしていくうえでの要素が5つあり、年功はその1つ」と説明していました。5つの要素とは、「理想への共感」「あくなき探究」「知識を増やす」「心を動かす」「不屈の心体」などです。これらいずれもが、「社員の定着」を促す仕掛けになっています。
「理想への共感」を例にこう説明をしています。

 「私たちの理想の1つが世界ナンバーワンの、企業向けソフトウェアを提供するメーカーになること。この理想を実現するためには、おのずと長い期間、働くことができることが前提になります。短い期間しかコミットメントしていない中で、理想に共感し実現していくことには限りがあります。傾向としては、長い期間、働くことができる社員の評価は高い。一方で、期間が短いと、評価が低い場合はあります」

 これら5つの中でこの会社の強さを表すのが、「知識を増やす」という評価項目の扱いです。「知識を増やす」は、仕事をしていくうえでのスキルやノウハウを指します。取材時に、役員はこのようなことを話していました。

 「他の企業では、この専門的なスキルを高く評価する傾向があります。例えば、転職で言えば、プログラマーとしてどのくらいの期間、どのような仕事をしてきたのかといった価値を見定めようとしていますが、我々は5つの要素の1つとして認識しています。このようなスキルが他の社員より高くとも、他の要素で低い扱いならばその社員の評価は高くはなりません。5つの要素の扱いは、“均等”となっています」

 この認識も、「社員の定着」を促す仕掛けと言えます。たとえ高い専門能力があったとしても、企業人である以上、まずは会社の価値観や理念に共感し、そして上司を始め、周囲の社員などと良好な関係を作り、高いところで安定した業績を残すことを求めているのだと思います。言い換えれば、会社の一員として高いレベルでの仕事ができるかどうかを確認しているとも言えます。

 この役員の地に足をつけた、しっかりした認識は創業時から経営に関わり、苦労をしてきたからこそ言えるのでしょう。役員は、このようにも説明をしていました。

「例えば、きちんとプログラミングができるプログラマーがいたとします。その意味では、プロフェッショナリティーが高いのだと思います。しかし、会社を頻繁に休んだり、周囲の社員とトラブルを繰り返すようでは、評価は高くなりません。専門的なスキルも5つの要素の1つでしかありません。専門能力を高め、転職を繰り返している人はいまの時代にたくさんいます。だが、我々は中途採用試験でそのような人を求めていません」

 この認識もまた「社員の定着」を促す仕掛けと思えました。この会社は「社員の定着」、つまり、安定を感じることができる仕掛けを作り、それを常にバージョンアップさせています。そこが、私が理想と思える理由なのです。
私は、この会社を高く評価しています。安定がないところに、会社や人の成長や発展などありうるわけはないのですから。

社員の定着を促す仕掛け

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